2000人もの遺骨が眠るカタコンベに行ってみる
カタコンベとは、地下にある墓所のことです。
ウィーンの繁華街を歩いているとどこからでも見えるシュテファン大聖堂
この地下にカタコンベがあります。
広い大聖堂の中ほどに地下への階段があり、ツアーが行われている時間が書かれているので、そこで時間がくるまで待ちます。
時間が来ると扉の鍵を手にガイドさんがどこからか現れ、案内してくれます。
料金は後払いで5ユーロ(約600円)
残念ながら中は撮影禁止です。
きれいに整備された地下通路をゆくと、ペストで亡くなった2000人もの遺骨と、マリア・テレージアなどハプスブルク家のひとたちの「心臓以外の臓器」が納められているのを観ることができます。
ちなみにわたしがカタコンベに行ってみようと思ったのは、この本を読んだことがきっかけでした。
この本によると、ハプスブルクの王家の一員が亡くなった場合、
心臓→銀の心臓容れに納め、ウィーンのアウグスティーン教会のロレット礼拝堂へ
肺、肝臓、胃腸など心臓以外の臓器→銅の容器に容れ、シュテファン大聖堂の地下へ
残りの遺体→青銅やすずの棺に容れ、フランシスコ派のひとつ、カプチン教会の地下にある皇帝廟へ
遺体は3か所に埋葬されるそうです。
なぜ3か所に?ということについてはいろいろな見解があるようで。
①ヨーロッパには心臓を特別なものだとする「心臓信仰」があるので、心臓だけを取り出した結果の副産物では?
とか、
②それで、日本で言うところの菩提寺が3か所に増えるなら、教会側は経済的にも助かるし、有力者が埋葬されるというのも大事なことなので好都合だったのでは?
などなど。
3か所のうち、今回行ったシュテファン大聖堂は王家の教会ではなく、むしろ一般市民のための教会なので、3つのうちでは重要度の低い「心臓以外の臓器」がここに納められたのではないかということです。
見終わったあとはこの出口から外へ。
正直ガイドさんの英語の説明は例によって半分も聞き取れませんでしたが、養老先生の本のおかげでどうにか補完できたのでした。
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