エディンバラは坂道とパブの街
というのが、わたしの印象です。たった2日間の滞在でしたが。
スコットランドの首都でもあるエディンバラへは、ロンドンから電車で4時間半。
けっこうな長旅ですが、車窓から見える田園風景や海岸線などは本当にすばらしい景色なので、空路で行くのはもったいない!
そして駅について旧市街の方へ歩いていくと、そこは「坂の街」。
高低差のある街は景色の変化もあって、歩くのが楽しくなります。
足腰しんどいけど。
そしてもちろんパブも多く、「WHISKY」と書かれた看板がいくつも目にとびこんできます。
ウィスキーは、スコットランドに来た主目的だったので、「WHISKY」の文字を見るだけでテンションあがります。
旅行者はまだ楽しめますが、毎日ここを上らなければならない住民は大変でしょうね……。
人通りがさほど多くないのと、街並みの古さと坂の多さ、そして気候のせいもあるのでしょうか、ロンドンとは違ってなんだか哀愁があります。
それは「ワールズ・エンド」の序曲にすぎなかった
またわたしの好きなサイモン・ペグ主演のイギリス映画の紹介から入らせていただきます。
この映画は一言でいうと、「中年のおっさん5人が、故郷の町にあるパブのすべて12軒を一晩でまわるチャレンジをする」っていう話です。
ルールは、1軒につきワンパイント(568ml)のビールを飲む。
バカですね~。
つまり日本で言うところの「はしご酒」
これを英語では「パブクロール」って言うみたいです。
で、彼らがゴールとするお店の名前が「ワールズエンド(The World’s End)」なんですが、
あった!!!
同じ名前の店が!!!
なんだかうれしくなります。
あとで調べたら、とても有名なお店みたいです。
ロイヤル・マイルと呼ばれる大きな通りにありました。
店名の由来が書かれていますが……えっと……
むかしエディンバラは城壁にかこまれた都市だったけど、このパブは城壁の門を出た外側にあった。なのでここは世界の果てと名付けられた……ってことでいいんでしょうか。
お店は満席だったんですが、食事しないで飲むだけならいいよ、ってことでカウンターのはしっこで立ち飲み。
そんなに広くないお店はとても賑わっていて、また今度ゆっくり来てみたいお店でした。
そして別のお店でまたいろいろ飲んでみたり
ハギスという、羊の内臓を羊の胃袋につめて茹でたスコットランドの伝統料理を食べ比べてみたり。
これはお店によって全然見た目も味も違います。
巷で言われているほど、特別臭くもまずくもありませんでした。ウィスキーソースでいただきます。
ひとりで3軒ほどまわって飲み、ほろ酔いでゲストハウスに帰宅。
そしてそこから、ほんとうの「パブクロール」ははじまりました。
スコットランド人が飲んだときの〆はフィッシュアンドチップスだった
自分の部屋のドアを開けようとすると、中からおっさんと思われる男の人たちの騒がしい声が聞こえます。
わたしの部屋はたしかに男女混合のドミトリー8人部屋だけど……
不審に思いながらおそるおそるドアを開けると、体のでかいおっさんが3人。
みんな40代後半から50代ってとこでしょうか。
どうやらスコットランドの地方からエディンバラに遊びに来たらしく、他の部屋にも仲間が泊まっているようで、大声で呼んだりして、ノリはまるで高校生。
その中のひとり、ジローラモ似のおっさんがテンション高く「よし!みんなで飲みに行くぞ!」と言い出しました。
えっ???
こういう思いがけない展開は大好物です。
と思ったら、すでにベッドに横になっていた若い香港人男性は、苦笑いで断ります。
若いのに冷静だなぁ。
「明日早いから……」としぶっていた30代フランス人女性は、おっさんたちに押されてついに、「彼女も行くなら……」とわたしの顔を見ました。
「わかりました。行きましょう」
そうしてスコットランド人5人、フランス人1人、日本人1人というパーティーで、パブクロールがはじまったのでした。
1軒目、みんなワンパイント(568ml)のビールをたのんで乾杯。
わたしはもうすでにけっこう飲んでいるので気をつけなければ…と思っていた矢先、
ものの10分か15分でおっさんたちはビールを飲みほし、「行くぞ!」
この人たちふつーに『ワールズエンド』やるつもりだ……!!
わたしも慌ててビールを飲みほし、2軒目からはハーフパイントにしました。
そんな調子で坂を上り、階段を降り、町のどこをどう歩いたのか6,7軒ほどパブをまわって、最後にたどりついたのがフィッシュアンドチップスのお店。
〆はこれなのか……。
と、なぜかしみじみしながらタルタルソースがたっぷりかかった魚にかぶりつく深夜2時。
女性のぶんは最初から最後までおっさんたちのおごりで、「ワールズエンド・ツアー」は終了したのでした。
おっさん5人のうち3人とは同室なので、仲良く部屋に帰ってそれぞれのベッドへ。
無事に帰ってこれてよかった……。
そして朝、疲れきって目を覚ますと、おっさんのひとりが自分のキャリーバッグからビールのロング缶6缶パックを取り出してぐびぐびと飲みはじめました。
ぽかんとして見ていると、
「お前も飲むか?」
朝からつっこみどころが多すぎて、言葉を失ったのでした。
楽しい旅の思い出をくれたおっさんたち、ほんとうにありがとう。
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