【ミャンマーのお酒】そば焼酎をつくるのは麻薬撲滅のためだった!

ミャンマー
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ミャンマーで出会った日本式のそば焼酎

マンダレーで、宿泊中のホテルに帰る途中に立ち寄ったスーパーマーケット。ビールでも買おうとお酒コーナーをうろついていると、急に日本語の文字が目に飛び込んできました。

『そば焼酎』!?

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 (ボトルのうしろにあるのは、ミャンマーのミルクティー)

なんだろうと思い手に取ってよく見てみると、ちいさな文字で

「JAPANESE BUCKWHEAT LIQUOR」

「ミャンマー国シャン州コーカン地区で麻薬撲滅のために生産しているソバで作りました。」

とあります。

330mlで、値段は日本円で約350円ほど。

ちょっと重いですがおみやげにちょうどいいと思い、2本買って帰りました。

男性の絵が描いてある方のボトルはアルコール度数が22.5%、

女性の絵が描いてあるボトルはアルコール度数が18%とちょっと低めになっています。

口当たりはとてもまろやかで、味はロックで飲むとけっこう甘さを感じますが、クセはなく飲みやすいです。

水割りにすると甘さがスッキリとして上品な感じになり、個人的には水割りの方が好きでした。

ケシのかわりにソバを育てて麻薬撲滅!にいたるまでの長い長い物語

じゃあなんでミャンマーでそば焼酎なのか?

というと、

麻薬(アヘン)を撲滅するため、なんだそうです。

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(シャン州のごはんはおいしい)

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タイ・ミャンマー・ラオスの国境が接する地域は、かつて「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれ世界最大の麻薬(アヘン)の密造地帯で、

そこでつくられた麻薬は、国からの独立を望むビルマ共産党たちの活動資金源となっていました。

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しかし1996年、ミャンマー政府からの要請により日本政府は麻薬の原料となるケシ撲滅のための支援に着手。

当時、日本蕎麦協会の会長だった加藤紘一・自民党代議士が中心になって「ケシのかわりにソバを育て、できたソバは日本が買い取る」というプロジェクトがまとまります。

そして政府の要請により、信州大学農学部の氏原博士がシャン州で日本ソバを試験栽培してみたところ、いけるじゃん!となったので、ミャンマー政府から3人の研修生が信州大学に勉強しにやってきました。

その後、氏原博士はJICA専門家としてシャン州に派遣されます。

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3年後の1999年に、ついに日本にソバを輸出!

信州大学を退官した氏原博士はこの年から4年間、JICAの長期専門家としてシャン州に駐在します。

4年後の2003年、日本へのソバの輸出は年々増えてはいるものの、日本が買い取るだけでは消費が不十分なので、国内でもっと消費しないと……ということで、

2004年、JICAの協力でマンダレーにソバの製粉・乾麺・そばクッキーを作る工場をつくります。

ところが2005年、1月にミャンマーに入った氏原博士は、ミャンマー政府内部にソバプロジェクト中止の動きがあるとの情報を入手。

このままじゃヤバいと、ソバプロジェクトを民間サイドで支援するために日本でNPO法人を設立する準備を進めていることを伝えて、買取を約束します。

結果、ソバプロジェクトは続行となり、栽培指導をつづけて現在にいたります。

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わたしがマンダレーで1本のそば焼酎を手にするまで、こんなに長い物語があったとは……!

そば焼酎は、栽培したソバをミャンマー国内で加工・消費するための取り組みのひとつのようです。

このそば焼酎をつくるにあたっても、ミャンマーの会社から技術者を招き、長野県内の酒造会社やそば製造会社への見学を重ね、長野県からも現地に技術者を派遣したのだとか。

それにしても氏原博士、信州大学にいてミャンマーに駐在することになるなんて、人間ほんと何が起こるかわかりませんね!

アマゾンと楽天では、わたしが買ったそば焼酎とは違う名前のそば焼酎が売られていました。製造元は同じシュエイー社で、農薬を使わないオーガニックソバが原料です。

そしてミャンマーとアヘンと言えばこの一冊!

著者の高野さんがゴールデントライアングルに潜入し、反政府ゲリラとともにアヘンの栽培から収穫までを共に体験し、さらには自身もアヘン中毒になってしまうという、とんでもなく面白くて勉強になるルポルタージュです。

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ミャンマーのそば焼酎は、上の記事で紹介した高田馬場の「ノングインレイ」でも飲めます。

シャン州のごはんはおいしい!

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