ボートレースにはSG競争と言われる、全レースの中で最もグレードが高いレースが1年間に9回開催され、それぞれ出場するためには厳しい条件があります。
当記事では、SG競争について以下の項目をまとめました。
- 各SGの出場条件・開催日程・優勝賞金
- 過去6年間のSG優勝者
- SGの優勝回数が多い選手
- GRANDE5(グランデファイブ)とは?
レースの持つ意味や出場条件がわかると、レースの見え方もちょっと変わってくるかな?と思います。
それにしても、どのレースも厳しい出場条件です!
SGとは?
ボートレースのSG競争とは、全レースの中で最もグレードが高いレースのこと。
「SG」とは「スペシャルグレード」の略称です。
その次はG1競争、G2競争 、G3競争 、一般競争の順となっています。
1年間に開催されるSG競争は9つで、それぞれ出場するための条件を満たした人だけが出場できます。
開催日程順は以下のとおり。カッコ内は昔の呼び方です。
- ボートレースクラシック(鳳凰賞競走)
- ボートレースオールスター(笹川賞競走)
- グランドチャンピオン
- オーシャンカップ
- ボートレースメモリアル(モーターボート記念競走)
- ボートレースダービー(全日本選手権競走)
- チャレンジカップ
- グランプリシリーズ戦(賞金王シリーズ戦)
- グランプリ(賞金王決定戦)
こうして見ると、全部カタカナになってしまった今よりも、なんか昔の呼び方の方が覚えやすいような(笑)
グランプリシリーズ戦とグランプリは同時開催なので、まとめて1つと数える場合が多いかと思います。
SGレースの出場条件・日程・優勝賞金・歴代優勝者まとめ
各SGレースについて、開催日程順に出場条件・優勝賞金などをまとめました。
各SGは基本的に、
前年度優勝者・前年のグランプリ優勝戦出場者(6名)・直前のSG優勝者
は出場できます。
ただ、年末に行われるグランプリ出場をかけた最終トライアルレースであるチャレンジカップだけは例外。
前年度の優勝者や前年のグランプリ優勝戦出場者であっても、当年1月1日から10月31日までに獲得賞金ランキングで上位に入っていなければ出場できません。
ボートレースクラシック(鳳凰賞競争)
【出場条件】 「前年1月1日 – 12月31日に行われたSG、G1、G2戦の優勝者」または「G3以下の大会での優勝回数上位者」、前年の全国ボートレース甲子園競争優勝者
【開催日程】 3月下旬
【優勝賞金】 3,900万円
G2以上のレースで優勝したことがあるか、もしくはG3以下のレースで複数回優勝していなければ出場できないので、実力者がそろうレースとなっています。
2020年から、全国ボートレース甲子園競争の優勝者も出場できることになりました。
ボートレースオールスター(笹川賞競走)
【出場条件】 ファン投票上位者(前期A1選手が対象)、選考委員会選出の選手(3名)
【開催日程】 5月下旬
【優勝賞金】 3,900万円
オールスターはファン投票なので、他のSGと比べると女子選手が出場しやすい大会となっています。
グランドチャンピオン
【出場条件】 前年4月1日~当年3月31日の「SGの優勝戦の完走者」と「SGの予選での得点上位者」
【開催日程】 6月下旬
【優勝賞金】 3,300万円
このレースは、前年のSGで上位進出していなければ出場できないので、その他のSGの中でも最も厳しい出場条件です。
2001年には寺田千恵選手が、女性選手で初めてSGの優勝戦に出場したことで話題になりました。(1号艇で5着)
オーシャンカップ
【出場条件】 前年5月1日~当年4月30日の「G1、G2の優勝戦における着順点上位の選手」
【開催日程】 7月中旬
【優勝賞金】 3,300万円
正式名称は「海の記念 オーシャンカップ競走」
海の日が施行された1996年からの開催なので、ほかのSGに比べると歴史的には浅いレースです。
ボートレースメモリアル(モーターボート記念競走)
【出場条件】 施行者から推薦された選手
【開催日程】 8月下旬
【優勝賞金】 3,900万円
出場条件は各競艇場から推薦された選手ということで、支部を代表する選手が出場するレースって感じですかね。
ボートレースダービー(全日本選手権競走)
【出場条件】 前年8月1日~当年7月31日の「勝率上位の選手」
【開催日程】 10月中旬
【優勝賞金】 3,900万円
ボートレースダービーは、グレード制やSGが制定される前から続く、最も歴史の長いSG。
優勝者には、賞金だけでなく優勝旗とダービージャケットが贈られます。
チャレンジカップ
【出場条件】 当年1月1日~10月31日の「獲得賞金ランキングの上位の選手」
【開催日程】 11月下旬
【優勝賞金】 3,300万円
チャレンジカップは、グランプリ・グランプリシリーズへの出場をかけた最終トライアル競争。
グランプリに出場できるのは獲得賞金ランキング1位~18位の選手なので、18位前後のボーダー近辺にいる選手は勝負掛けということで、アツい戦いになります。
グランプリシリーズ戦(賞金王シリーズ戦)
【出場条件】 当年1月1日~チャレンジカップ最終日の「獲得賞金ランキングの19位~60位の選手」
【開催日程】 12月下旬
【優勝賞金】 1,600万円
グランプリシリーズはグランプリと同様に6日間開催で、前半4日間は予選、5日目は準優勝戦、最終日はシリーズ優勝戦。
予選3日目からは、グランプリのトライアル1stで敗退した6名も加わります。
トライアル1st敗退者は得点をシリーズ戦に持ち越しますが、得点の不利を補うため、3日目に敗退者6名で「シリーズ復活戦」を行います。
グランプリと同時開催のSGですが、優勝賞金はその他のSGに比べると1,600万円と低く設定されています。
グランプリ(賞金王決定戦)
【出場条件】 当年1月1日~チャレンジカップ最終日の「獲得賞金ランキングの1位~18位の選手」
【開催日程】 12月下旬
【優勝賞金】 1億
その年の獲得賞金ランキング1位~18位の選手だけが出場できる大会。
獲得賞金はダントツの1億ということで、グランプリ優勝者が賞金王になることがほとんどです。
- 2022年の賞金王は徳山の一般戦で決着!
- 2022年は白井英治選手がグランプリを制したものの、グランプリ終了時点での獲得賞金1位は馬場貴也選手!
2022年12月20日時点で2人の獲得賞金額の差は、106万0543円でした。
12月27日から白井選手は徳山に斡旋が入っており、年末までの5日間でこの差を埋められれば賞金王、ということでしたが……
白井選手は初日から順調に勝利を重ね、2022年12月30日の徳山12Rに無事イン逃げを決めて、賞金王となりました!
参考:ひまひまデータ
グランプリシリーズ同様6日間開催で、まず初戦の「トライアル1st」は、賞金ランキング7位から18位の計12名で争われます。
各選手2レースずつ行い、得点上位6名が「トライアル2nd」へ進出。下位6名は敗退となり、「グランプリシリーズ」に予選3日目から合流します。
「トライアル2nd」は、トライアル1stを勝ち上がった6名と、賞金ランキング1位~6位の選手の計12名で争われます。(トライアル1stの得点は持ち越さない)
各選手3レースずつ行います。
そして最終日、「トライアル2nd」の得点上位6名で「グランプリ決定戦」を行い、下位6名は「順位決定戦」を行います。
使用するモーターは、開催場における勝率上位機、専門紙・スポーツ紙の記者が推薦したものが用意されます。
GRANDE5とは?
GRANDE5(グランデファイブ)とは、格式の高い5大SG競争である「クラシック」「オールスター」「メモリアル」「ダービー」「グランプリ」を全て制覇した時に授与される称号のこと。
初めてGRANDE5を達成した選手には、3億円相当のインゴット(金塊)が贈られます。
ちなみに「グランデ」とは、ラテン語で「偉大な」という意味です。
GRANDE5を達成した選手はまだいません。
5つのメダルのうち1つのメダルを保持しているのは、土屋智則選手、遠藤エミ選手、篠崎仁志選手、寺田祥選手、深谷知博選手、井口佳典選手、中島孝平選手、守田俊介選手、深川真二選手、坪井康晴選手、篠崎元志選手、仲口博崇選手、茅原悠紀選手の13人。
2つのメダルを保持しているのは馬場貴也選手、白井英治選手、原田幸哉選手、峰竜太選手、平本真之選手、瓜生正義選手、吉川元浩選手、毒島誠選手、桐生順平選手、菊地孝平選手の9人。
そして、3つのメダルを保持しているのは石野貴之選手・峰竜太選手の2人です。(2023年12月現在)
2023年のSG優勝者
2023年のSG優勝者は以下のとおりです。
- 第58回ボートレースクラシック:土屋智則
- 第50回ボートレースオールスター:石野貴之
- 第33回グランドチャンピオン:磯部誠
- 第28回オーシャンカップ:羽野直也
- 第69回ボートレースメモリアル:馬場貴也
- 第70回ボートレースダービー:峰竜太
- 第26回チャレンジカップ:片岡雅裕
- 第59回グランプリシリーズ戦:深谷知博
- 第60回グランプリ:石野貴之
SG優勝回数ランキング
そもそも出場すること自体が難しいSGで、優勝回数の多い選手19名を紹介します(2023年12月現在)
- 17回:野中和夫
- 12回:松井繁
- 11回:山崎智也・瓜生正義・石野貴之
- 10回:彦坂郁雄・植木通彦・池田浩二
- 9回:今垣光太郎
- 8回:中道善博
- 7回:北原友次・今村豊・西島義則・太田和美・毒島誠
- 6回:井口佳典・峰竜太
- 5回:安岐真人・田中信一郎・菊地孝平・濱野谷憲吾・原田幸哉
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