横須賀港(神奈川県)と新門司港(福岡県)をむすぶ、東京九州フェリー
所要時間は21時間・最低運賃(相部屋)は12,000円で、時間さえあれば安くて快適な船旅が楽しめます。
今回わたしは横須賀⇒新門司というルートで徒歩乗船したので、船内のようすをレポート!
また、横須賀港を出港するのが23:45と遅く、せっかくだから……ってことで乗船前に横須賀で一杯飲んだので、そちらも合わせて紹介したいと思います。
東京九州フェリーとオーシャン東九フェリーの比較
現在、東京~九州間をむすぶフェリーは「東京九州フェリー」と「オーシャン東九フェリー」の2つ。
両者の基本運賃(=最安の相部屋)・所要時間などの比較は以下のとおりです。
東京九州フェリー | オーシャン東九フェリー | |
基本運賃(横須賀/東京~新門司) | 12,000/18,000円 (期間によって違う) | 20,030円 |
所要時間(横須賀/東京~新門司) | 21時間 | 32時間 |
食事 | レストラン・カフェあり | 自動販売機のみ |
Wi-Fi | 船内Wi-Fiあり | なし |
新門司まで行く場合、オーシャン東九フェリーは徳島を中継するため乗船時間がトータルで32時間と長く、料金も高めです。
また、レストランや客室など設備的に充実しているのは東京九州フェリー。
オーシャン東九フェリーは貨物船としての役割がメインで、ついでに乗客も運んでいる、という感じなのかなと思います。
どちらにも乗船してみて感じた印象としては、東京九州フェリーは一般客が多く、オーシャン東九フェリーはトラックドライバーと思われる方がけっこう乗船されているようです。
Wi-Fiはつながる?
東京九州フェリーには船内Wi-Fiがあって、以下の条件で利用できます。
- 船内で利用者登録をする
- 接続回数は1日5回以内
- 1回の接続で30分利用可
- パブリックスペース・全客室で利用可
一応全客室で利用できるとなっていますが実際のところ、わたしが宿泊したツーリストAの客室では、全くと言っていいほど繋がらず。
パブリックスペースでは繋がるときもある、といった感じでした。
また、陸に近いところを航行しているときは、けっこうふつうに陸の電波を拾ってインターネットにアクセスできます。
ただこちらもWi-Fi同様、ツーリストAの客室はほぼ圏外でした。
東京九州フェリーの料金
東京九州フェリーの料金に関するポイントは以下です。(▶運賃・料金)
- ペット・自転車・原付・バイク・乗用車の持ち込み可
- 料金は期間(繁忙期・閑散期)によって違うので注意
- 料金は基本運賃(ツーリストA)に、個室をとる場合は+ルームチャージ
- 往復割引(10%)・学生割引(20%)・障害者割引(50%)
相部屋の客室「ツーリストA」の料金(時期により12,000円か18,000円)が基本運賃となり、個室の場合はそれにプラスしてルームチャージがかかる、という方式。
ドミトリータイプの相部屋から和室・高級ホテルのような広くて設備が整った部屋まで、いろんなタイプの客室があります。
▶客室紹介
東京九州フェリーの予約方法
東京九州フェリーの予約方法と注意点は以下です。
インターネットでも電話予約でも、事前に精算をすませておけば「e乗船券お客さま控」(電子乗船券)が発行できて、窓口での手続きをしなくてすむので便利。
また、相部屋(ツーリストA)を予約する場合、以下のように予約画面でベッドの指定ができます。
基本は互い違いの2段ベッドですが、一部2段になっていないところがあるので(上図では186と193)、空いていればそこを取るのがおすすめ。
上段ベッドがないぶん天井が高く、空間が広く感じられて快適です。
横須賀フェリーターミナル乗り場(乗船の流れ)
横須賀フェリーターミナルは、京急電鉄・横須賀中央駅から徒歩で約15分。
乗船時間の60分前にはターミナルに来るように、と公式サイトにはありました。
わたしは歩いて行ってみたところ、道順もわかりやすくて特に問題ありませんでした。
無料送迎バスは出ていないので、歩きたくない人は駅からタクシーで約5分です。
こじんまりとした建物の中に入るとすぐチケットの販売窓口があります。
全国旅行支援を利用してWebから申し込みをしている場合は、ここでクーポンを受け取り。
通常予約であれば、事前に電話やWebから予約&精算をすませると「e乗船券お客様控え」(電子乗船券)が発行され、窓口での乗船手続きは不要です。
手続きをすませて2階に上がると、LCCの空港みたいな感じ。
きれいなカフェと、お土産屋さんがありました。
カフェは22:00まで、お土産屋さんは23:00までの営業です。
横須賀ってことで、海軍カレーがたくさん。こんなに種類あるんですねー。
東九オーシャンフェリーの有明ターミナルよりも、品ぞろえはかなり充実しています。
乗船時間になると案内があるので、乗船口となるエスカレーター下でチケットを提示して乗船です。
東京九州フェリー「すずらん」の船内のようす
すごくきれいで設備も充実していた「すずらん」
2月という時節柄か乗客が少なく、かなりのんびりゆったり過ごせて快適でした!
エントランスと船内
広々としたエントランスは、ホテルみたい。
上から見るとこんな感じで吹き抜けになっていて、開放感があっていいです。
インフォメーションと売店があるので、何かあればこちらへ。
何時頃にどこを通過するか?という通過ポイント地図&時間が貼りだされていました。
長い船旅では、こういうのもちょっとした楽しみです。
船内にはたくさんイスやテーブルが設置されていて、一日中好きな場所でくつろげます。
テレビはエントランスと5階の2か所にあり、BS放送のみ観れます。
ソファ席もあって、かなりゆったりできて快適。
のんびり海を眺めつつ読書をしたり動画を見たり、まったり過ごせます。
コンセント・USBポート・仕切りのあるパソコン作業に適した席も。
船内Wi-Fi(接続回数・時間に制限あり)もありますが、陸からそんなに離れて航行するわけでもないので、陸の電波をけっこうふつうに拾ってる感じでした。
有料のマッサージチェアもあり。
乗客が少なかったということもあり、席が混みあうことはなく全くストレスなく船内での時間を過ごせました。
フォワードサロン
一番上の階の最前面(フェリーのはしっこ)にあって盲点となるのか?意外と人がいなかったフォワードサロン。
その名も「L’Arc-en-Ciel(ラルクアンシェル)」
大きな窓からはきれいな海が見え、光も入ってきて明るい部屋です。
ちょっとおしゃれなカフェみたいな雰囲気で、さすがのラルクアンシェルでした。
売店・自販機
売店では、東京九州フェリーのオリジナルグッズ・九州みやげ・お酒・ソフトドリンク・お菓子・アイスなど、たいがいのものはそろっています。
酔い止めや歯ブラシなど、買うの忘れた!って物も置いてあるので安心です。
自販機は、お酒・ソフトドリンク・17アイスなど。
値段はちょっとだけ高い?って感じですかね。
淡麗350ml(220円)、一番搾り350ml(290円)、氷結350ml(190円)
伊右衛門茶(180円)、CCレモン(160円)、天然水(140円)、17アイス(150円)
カップヌードルの自販機もありました。
カップヌードル・チキンラーメン・どん兵衛そば/うどん(各230円)
お湯はここで無料でもらえるので、入れ物とお茶やコーヒーなどがあれば好きなときに飲めます。
わたしは前回オーシャン東九フェリーに乗ったときにそれを学習して、お茶のTバッグと水筒を持っていきました。
そしてフェリーに乗ると、なぜか食べたくなるカップヌードル。
わたしは相部屋でしたが乗客はわたし1人だけだったので、部屋でゆっくりいただきました。
▶売店
レストランでの食事
レストランはふつうにファミレスみたいな感じで、神奈川名物や九州名物などを中心にかなり充実。ドリンクバーやアルコールもあります。
食事が自販機のみとなるオーシャン東九フェリーと違ってメニューが豊富。
値段はふつうかちょっと高いくらいで、どれもおいしそうです。
注文は各席に置いてあるタッチパネルで。
わたしは「はかた一番どりチキン南蛮定食(1,300円)」を注文。
柔らかい鶏のからあげに、さっぱりした感じのタルタルソースがおいしかったです。
営業時間は限定的でしたがカフェもあり、コーヒーやソフトクリーム、パスタなどの軽食を販売していました。
また、レストランとは別に「グリル」という場所もあって、そこではこんなコース料理が食べられるみたいです。
どれくらいの人がこれ食べるんかな……。
さらに夏になると、事前予約をすればなんと船上バーベキューもできるそうで、1回やってみたいですねー!
大浴場
そもそもフェリーの乗客というものは女性が少ないのかたまたまなのか、わたしが乗船した日の女性客はおそらくわたしを含めて3名。(うち2人は家族連れ)
1日に2回お風呂に入ったところ2回とも貸し切りで、かなりゆっくりできました。(▶ご入浴)
窓から明るい光がさしこんで気持ちいい~。
シャンプー・リンス・ボディーソープは備え付けのものがあります。
サウナもあったし、そしてなんと露天風呂まで。
たださすがに2月は風が寒い‼
本来は内風呂が苦手で露天が好きなわたしですが、それでも湯船から出ている顔が寒すぎて長時間は入っていられませんでした。笑
夕方に入浴すると、対岸に見えるのは大分県。
こんな景色を見ながら貸し切りでゆっくりお風呂、かなり贅沢な気分になれました。
▶ご入浴
娯楽施設(映画・カラオケ・ゲーム・スポーツルーム)
21時間という長い時間を過ごすため、船内には娯楽施設が充実していました。
まずは映画館。
すずらん・すいせんでは映画館のみ、はまゆう・それいゆでは、プラネタリウムの設備もあるみたいです。
映画は1日2回上映。
個人的にはジブリ映画を上映してほしいな~。笑
▶映画館
カラオケルームは3部屋あって、1時間1,000円です。
ランニングマシンとエアロバイクがあるスポーツルーム。
ここで汗を流してからお風呂へ……というのもいいかもしれません。
卓球台もありました。
デッキから見える風景
途中までは曇り空で心配でしたが、なんとか晴れてくれてよかった!
出港は夜の遅い時間なので、一晩明けてからデッキに出てゆっくり外を見るという感じでした。
途中、新門司から横須賀へ向かう姉妹船のすいせんとすれ違います。
岬などの観測スポットが近づくと、船内アナウンスがあるのでデッキへ。
陸の電波を拾ってスマホがけっこうふつうに繋がるため、Googleマップで現在の位置情報を確認しながら本州・四国・九州を眺めるのもおもしろいです。
朝昼晩と、何度かデッキに出て洋上の景色を楽しみました。
最安の客室「ツーリストA」のようす
わたしは、東京九州フェリーで最安の客室である「ツーリストA」に宿泊。
ツーリストAの客室は施錠できないので、貴重品は常に持ち歩くかインフォメーションに預けておくと安心です。
ツーリストAは1部屋に10名定員・ベッドが互い違いに配置されている大部屋。
女性専用部屋もあり、予約時にどのベッドにするかまで指定できます。
人の出入りがあると落ち着かないと思ったので、入り口から一番遠い&上段にベッドがなくて天井が高くなっている席を選択しました。
寝転んだときに天井が高いと、床面積は一緒でも閉塞感がないのでいいです。
ベッドはカーテンで仕切られていて、収納スペースもそこそこあり使いやすくて良かったです。
上段のベッドは収納スペースも下段より少し狭くて、ちょっと窮屈な感じ?かもしれません。
わかりにくいですが、枕元にある電機の下部分に電気のスイッチとコンセントがありました。
各ベッドにコンセントは1つです。
新門司港からは無料バスで門司駅・小倉駅へ
新門司港からは、JR門司駅・JR小倉駅への無料の連絡バスが出ています。
ターミナルを出てすぐのところにバスが待っているので、そのまま乗り込み。
乗客の多くはバイクや車などを持って来ている人のようで、徒歩乗船の人は少なかったです。
門司駅までは約20分、小倉駅までは約35分ほどで着きます。
乗船前に横須賀中央駅前(若松マーケット)でちょっと一杯
せっかく横須賀に行くし出港時間が0時前なんだから、ちょっと早めに行って飲んでから行こう!ってことで、横須賀中央駅前の若松マーケットという飲み屋街を散策しました。
駅を出てすぐのところで、「横須賀ブラジャーが飲める街」というのがキャッチフレーズのようです。
歩いていくと、居酒屋やスナックなどがずらりと並んでいい雰囲気。
コンパクトな範囲にお店がまとまっていて、飲み屋街としての一体感もあるしこれならハシゴもしやすいですね。
スナックやラウンジなどもたくさんあって、ぱっと見フィリピンパブがけっこう多そう?な印象でした。
スナックビルもいくつかあったり。
わたしは、事前にGoogleマップを見てあたりをつけていたロータスというお店を訪問。
「横須賀ブラジャー・地ビール・3冷ホッピー」の全部がそろっていて良さそうだったのと、脱サラした女性が一人で営業されているらしい、ということで行ってみました。
ドアを開けて2階に上がっていくという、ちょっと変わった入り口です。
カウンター7席とテーブル席が1つの、なんとなく落ち着く感じの店内。
気さくな雰囲気の女性店主が出迎えてくれました。
メニューはけっこう多くてお値段は手頃です。
ホッピーの種類がいろいろあって楽しい。
地ビールはメニュー表にはなく、実際冷蔵庫の中を見て決めてね、ってことみたいです。
まずは3冷ホッピー(550円)からスタート。
焼酎・グラス・ホッピーの3つを冷やして、氷無しでホッピーを1本分使って作るのが3冷ホッピー。
ふだんは1本のホッピーで3杯分飲んでますが……ホッピービバレッジが推奨するのはこっちの飲み方らしいです。
つまみは、お店おすすめの焼き餃子(580円)とさるひめわかめを使った湯豆腐を。
さるひめわかめとは、横須賀から船で10分ほどの無人島「猿島」周辺で獲れるわかめで、まだ若葉の状態で漁師さんが手摘みで収穫したものだそう。
1月~2月頃までの期間限定で食べられるものらしく、ちょうどその時期に来られてラッキー。柔らかくて食感も良くおいしかったです。
2杯目は、神奈川県厚木市で作られている地ビール「サンクトガーレン」
なんとこの会社が、日本で最も老舗のビール蔵なんだとか。
今でこそ全国にたくさんある地ビールですが、以前日本では小規模のビール醸造が認められておらず、それを変えたのがこの会社ということでした。
そして横須賀ブラジャー(600円)初体験。
ブランデー+ジンジャーエールで「ブラジャー」
専用のジンジャーエール・専用グラスがちゃんとあって、名物として押し出そうという気概を感じます。
ジンジャーエールが生姜たっぷりで飲み口もよく、ふつうにおいしいカクテルでした。
そして最後はエスプレッピー(750円)
焼酎+エスプレッソ+ホッピーという珍しい組み合わせ。〆にもぴったり?
硬めの泡がモコモコ立つのが面白かったです。
2時間ほどのあいだ常連さんと店主に話し相手になっていただいて、出発前にとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。
東京九州フェリーに乗船するなら、若松マーケットを散策してほろ酔いで行くとすぐ眠れるのでおすすめです!笑
小倉から乗船する場合は、以下の記事でおすすめのお店をいくつか紹介しているので参考にしてみてください。
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